出っ歯
(口ゴボ・上顎前突)
出っ歯(口コボ)は、下の歯よりも上の歯が著しく前に出ている状態です。日本人に多く、上の歯が大きく前に傾いていたり、上顎が全体的に前に出ていたりするタイプがあります。
原因は、下顎よりも上顎の方が大きいことや、上顎が突出していたりすることの他、指しゃぶりや歯を舌で押す癖などが挙げられます。
出っ歯(口ゴボ)の原因
1.遺伝
あごの大きさや形状、歯の大きさやバランスなどには、遺伝が関係しています。親から引き継ぐものであり、予防はできません。
2.おしゃぶりの長期間の使用
おしゃぶりを長期間使用すると、出っ歯になる場合があります。おっぱいやミルクを飲む動作も歯を舌で押すため、長期間続けると出っ歯になるリスクが高まります。
3.指しゃぶりの癖がある人
指しゃぶりを長期的に続けると、出っ歯のリスクが高まります。目安として、5歳を過ぎても指しゃぶりをしていると、前歯が押される影響で出っ歯になりやすいとされています。
4.爪を噛む癖のある人
爪を噛むと、上の前歯が前へ倒れて出っ歯になる恐れがあります。
5.口呼吸
口呼吸を長く続けると、唇の筋肉が弱り、舌の筋肉に負けることで前歯が押されて出っ歯になる恐れがあります。歯は唇と舌の筋肉の中立体に位置しており、筋肉のバランスが整っている状態が望ましいとされています。
6.唇を噛む癖がある
下唇を噛むと、下の前歯が内側に倒され、同時に上の歯が外側に傾くことで出っ歯になる恐れがあります。
7.舌を前に出す癖がある
食べ物を飲み込むときに舌を前に出す癖があると、舌が前歯を押すことで出っ歯のリスクが高まります。
8.舌を上下の歯のすき間に入れる癖がある
何かに集中しているときに上下の歯と歯の間に舌を入れ込む癖があると、前歯が舌で押されることで出っ歯のリスクが高まります。
9.舌を前歯で噛む癖
舌を前歯で噛むと、前歯が前に押し出されることで出っ歯のリスクが高まります。
出っ歯であることで
及ぼす悪い影響
前歯が出ていることで上唇が上がり、口が閉じにくくなります。
その結果、唇や口の中が乾燥して唾液の自浄作用が発揮されなくなり、むし歯や歯周病、口臭のリスクが高まります。
また、発音が悪くなったり上下の歯がうまく嚙み合わないことで顎関節に負担がかかったりと、その影響はさまざまです。
また、顎関節に負担がかかると頭痛や肩こりが起こるなど、全身に影響を及ぼす場合もあります。
出っ歯の治療は
マウスピース型矯正歯科装置
をおすすめします!
当院では、マウスピース型矯正歯科装置をお勧めしております。コンピューターシミュレーションに基づいて作製した透明のマウスピースを1週間ごとに交換し、歯を少しずつ動かします。透明で薄い装置のため、口を開けたときにほとんど目立ちません。また、スピーチや面接、結婚式といった重要な場面では取り外すこともできます。
さらに、独自のコンピューターシミュレーションに基づいて作製するため、事前に歯の動き方を確認できる点も大きなメリットです。歯並び・噛み合わせがどのように改善するのかを患者さまにご確認いただけるため、モチベーションを保ちやすい治療と言えるでしょう。
出っ歯(口ゴボ)の
矯正治療症例
Before
After
主訴 | 上顎前突(出っ歯・口ゴボ) |
---|---|
診断名・主な症状 | 上顎前突 |
年齢 | 18歳 |
治療期間・通院回数 |
約20~25回・20~25回 |
装置・費用 | マウスピース型矯正歯科装置 880,000円 調整料5500円×22回=121,000円 |
治療内容 | 上の前歯の位置が前方にあり傾斜していました。上の歯を奥歯から後方に移動して、前歯の大きさを0.25ミリずつ削ることで少しスリムにさせていただき(IPR処置)、歯を並べました。最後に、かみ合わせの緊密化を行い保定に移行しています。 |
抜歯有無 | 永久歯の抜歯なし |
リスク |
|
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矯正治療における
副作用とリスク
矯正治療に伴うリスクや副作用は、ホームページに掲載することが法律で義務づけられています。全ての医療行為にはメリットとデメリットがあるため、両方を十分に比較し、治療を受けるかどうかお選びいただく必要があります。当院では、矯正治療の副作用やリスクについて十分にご説明し、ご納得いただいてから治療を開始しておりますので、不明点や疑問点はお気軽にご質問ください。
- 最初は矯正治療による不快感、痛み等があります。数日間~1、2週間で慣れることが多いようです。
- 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。また短縮する場合もあります。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置がついているため、歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
- 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
- ごくまれに、歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに、歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 治療途中に金属などのアレルギー症状がでることがあります。
- 治療中に「顎関節で音がある、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 歯の動きによる様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す時に、エナメル質に微少な亀裂が入る可能性や、被せた歯(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った被せる歯(補綴歯)や虫歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
- あごの成長発育により咬み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずが萌えて、凸凹が生じる可能性は文献ではないとされていますが、加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせると咬みあわせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
- 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。